#1 コーヒーとは

コーヒー





多くの人々が毎日多量に消費しているコーヒー。

起床後に目を覚ますため、仕事前や仕事中に集中力を高めるため、休憩中にリラックスするため。


そんな普段何気なく飲んでいるコーヒーのことをどれだけ知っているのだろうか。

コーヒーについてのblogの初回は、コーヒー豆の生産・加工について学んでいきたい。

コーヒーの生産



コーヒーとは。

アカネ科コヒア属の ”コーヒーノキ” の果実の種子を加工したものを挽いて、お湯や水で抽出した飲料。

そのコーヒーは、豆の生産地の気候や土壌などの環境によって、風味が大きく異なるのも魅力である。

そんなコーヒーの生産は、”コーヒーベルト”と呼ばれている地帯で行われている。

コーヒーベルトは赤道を軸にして、北緯23.4度に位置する”北回帰線”と南緯23.4度に位置する”南回帰線”の間のことをいう。
※太陽は”北回帰線”と”南回帰線”の間を行き来している。

コーヒーベルト



《コーヒーの生産条件》

  • 赤道周辺の熱帯気候
  • 年間平均気温15℃〜20℃
  • 年間平均雨量2000mm前後
  • 肥沃且つ水はけが良い土壌
  • 高地


以上がコーヒーの基本的な生産条件。

コーヒーベルトの中に位置していても必ず生産出来るということではないので、
日々大量に消費しているコーヒという飲料は限られた土地で生産されていることを知っていても良いだろう。


コーヒーの品種

コーヒーの生産条件が凡そ解った中で、次はコーヒーの品種について。

エチオピアがコーヒーノキの起源地とされており、元品種は大きく3品種。

アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種の3種類ある。

その中でアラビカ種が生産の7~8割を占めており、続いてロブスタ種が2割程である。

  • アラビカ種
    ストレート・ブレンドでも飲まれる。
    海抜1000m程、雨季と乾季がある環境が適している。
    気温の変動や、病害への耐性がロブスタ種よりも低い。
    近年では耐病虫性のある品種への置換も進んでいる。
  • ロブスタ種
    カフェイン成分が多く苦みが強いため、ブレンドされて飲まれることが多い。
    海抜500m以下でも生産が可能で、少雨・高温多湿でも栽培可能。
    耐病虫性も高く、安定収穫までの期間も3年と短い。
  • リベリカ種
    主にヨーロッパで飲まれている。
    高温多湿の環境に適応するが、耐病虫性が低い。



コーヒー豆の品種

コーヒー豆の原品種は先ほどの3大品種であるが、

その原品種から、突然変異・自然交配・品種改良を経て幾つもの品種が存在している。

その品種について代表的なものを記載していく。

アラビカ種

先述の通り、アラビカ種の栽培が7割を超えている中でアラビカ種においては無数の種類があると言われている。

  • ティピカ
    アラビカ種で最も古い品種
    豊かな甘みと酸味で高い評価であるが生産性が低い。
    品種改良の対象になっており、純粋なティピカを見つけることも難しい。
  • ブルボン
    甘みとまろやかさに長けているが、量の生産性が低い。
    ティピカ同様、単一品種での流通は少ない。
  • カツーラ
    ティピカ、ブルボンに比べ生産性が高い。
    酸味、渋みがティピカに比べ若干強いと言われている。
  • ムンド・ノーボ
    ブルボンの改良品種で、生産性の高いブラジルを代表する品種。
    甘みと酸味のバランスが良い。
  • カツアイ
    ムンド・ノーボとカツーラの交配種。
    生産性高く、病害耐性も高い。

ロブスタ種
  • カネフォラ
    病気に強く、香ばしい香りが特徴。
    液量も多い点、価格も安価なのでインスタントコーヒー等に多く使用されている。

コーヒー豆の種類については、無数にある為現在まとめきれません。
このブログを通じて学ぶ中でアップデートしていけたらと思っています。


コーヒー豆のブランド


コーヒーの品種とコーヒー豆の品種を見てきた中で、

生活に馴染みのある名称が、このブランド名ではないだろうか。

そのブランド名については、国名・生産山名・出荷港名・栽培地名等で名が付けられている。


以下、主なコーヒー豆の代表的なブランドの特徴を地域毎に分けて見ていく。

南米
  • ブラジル
    『ブラジル』という国名を付けたブランド。
    世界第1位の生産量であり、多くは”アラビカ種”である。
    酸味・苦味・甘味のバランスが良く、ストレートにも、ブレンドにも多く用いられる。
  • コロンビア
    『コロンビア』という国名を付けたブランド。
    世界第2位の生産量、アラビカ種がメイン。
    フルーティな香り、豊かな酸味が特徴である。
  • ペルー
    こちらも『ペルー』という国名から。
    苦味、酸味が控えめでマイルドな味わいが特徴的。

中米
  • グアテマラ
    中南米に位置する国、『グアテマラ』という国名を付けたブランド。
    狭い国土であるが、世界第10位の生産量。
    優れた酸味と香りが特徴的である。
  • コスタリカ
    こちらも中南米に位置する『コスタリカ』という国名を付けたブランド。
    栽培品種は”アラビカ種”のみでそれ以外は禁止。
    酸味に優れ、苦味は控えめという特徴を持つ。
  • ブルーマウンテン
    国はジャマイカ。ブルーマウンテン山脈から付けられているブランド。
    さらにブルーマウンテン山脈の標高800~1200mの限られた地域で栽培されたもの。
    酸味・苦味・甘味のバランスに優れている。

アフリカ
  • モカ
    国はエチオピア。モカ港が由来。
    世界最古のコーヒー豆ブランドとされている。
    フルーティで爽やかな酸味と甘みが特徴。
  • ケニア
    国名をつけたブランド。
    柑橘系の風味が特徴で、上品な味わい。
  • キリマンジャロ
    生産国はタンザニア。
    酸味が強いのが特徴。すっきりとした飲み心地でストレートで飲むのに向いている。
アジア
  • マンデリン
    産地はインドネシアのスマトラ島。
    苦味とコクが特徴、後味に甘みも感じる。
  • ジャワ
    産地はインドネシアのジャワ島。
    ロブスタ種を栽培。強い苦味が特徴である。カフェインが豊富。


コーヒー豆の加工


次にコーヒー豆の加工について。

生活の中でコーヒー豆は焙煎されて茶色や黒色になった状態か、粉砕されて粉状になっている状態で見ることが殆どだろう。

そんな普段見ているコーヒー豆の果実は、

外皮→果肉→粘液質→内果皮→銀皮→種子(コーヒーの生豆)

という順に包まれている。

その果実の状態から、内果皮まで取り除く作業を “コーヒーの精製” と呼ぶ。

この精製作業から、焙煎、粉砕、の加工段階を経て抽出され飲料となっている。


コーヒー豆の精製

コーヒー豆の精製は以下大きく4方法ある。

その精製は基本的にコーヒー豆の生産地で行われ、伝統的な面も含まれる。

そしてこのそれぞれの精製方法が、コーヒーの品質や風味に影響を与えているのも面白い点である。

ウォッシュド(水洗い式)

まず ”ウォッシュド” という精製から。

外皮と果肉を機械で除去した後、水槽に浸けて発酵させて粘液質を除去し、水で洗浄を行い乾燥させる方法。

コロンビアなど広く生産地で採用されており、生産性も高く且つ質も高い。

味もクリーンな仕上がりになる。

ナチュラル(乾燥式)

ナチュラルについては、収穫した果実をそのまま乾燥させた後に機械で生豆を取り出す方法。

果肉もそのまま乾燥させるので、フルーティな風味を感じる事が出来る。

主にブラジルやエチオピアで採用されている。

スマトラ式

名の通り、インドネシアのスマトラ島で行われている伝統的な精製。

製法としては果肉までを先ず取り除き、一度半乾きにした後に粘液質を取り除き、再度乾燥させる。

パルプド・ナチュラル(ハニープロセス)

主にブラジル、中米で行われれいる。

ウォッシュドと同様に果肉まで除去した後、粘液質はそのままで半乾き状態まで乾かした後に生豆の状態にして再度乾燥。

粘着液の持つ風味を生かす精製法である。

焙煎


続いてコーヒーの生豆の焙煎について。

この焙煎工程はコーヒーの消費地で行われる事が殆どである。

コーヒーの生豆はこの焙煎工程によって化学反応が起きて初めてコーヒー豆として使用できる。

焙煎にかける時間、温度の加え方などで味をコントロールするのだが、少し変われば風味は変わるし、

生豆の状態にも左右されるであろう。

いつも同じ風味を出す事が難しいのが焙煎工程であり、主に以下の方法がある。

  • 直火焙煎
  • 熱風焙煎
  • 遠赤外線焙煎
  • マイクロ波焙煎
  • 過熱水蒸気焙煎


焙煎度

焙煎度は、浅煎り・中煎り・深煎り・極深煎りの大きく4段階あり、

さらに細かく分けると下記8段階ある。

基本的に浅煎りの方が酸味が強く残り、果実味も感じ易い。一方の深煎りは苦味が強いのが特徴である。


<浅煎り:焙煎時間短>

・ライトロースト
苦味が抑えられ、豆本来の風味を感じ易いが、熱を加える時間が短いので焙煎が難しい。

・シナモンロースト
シナモン色の焙煎仕上がり。柑橘系の風味が特徴。


<中煎り:焙煎時間中間>

・ミディアムロースト
分類は中煎りだが柑橘系の風味もまだまだ感じられる。

・ハイロースト
一般的な焙煎度合い。酸味と苦味のバランスが良く、この焙煎度で飲用される事が多い。


<深煎り:焙煎時間やや長い>

・シティロースト
コクのある苦味が特徴。エスプレッソに使用される事も多い。

・フルシティロースト
シティローストより苦味とコクが強い。


<極深煎り:焙煎時間長>

・フレンチロースト
アイスコーヒーでの使用、カフェオレなどのアレンジコーヒーにも向いている。

・イタリアンロースト
苦味とコクがかなり強くスモーキーさも感じる。焦げに注意。


コーヒー豆はその焙煎の仕方(温度と時間)によって、風味を形成する成分がかわってくる。
コーヒーの成分については別のblogにしていきたい。

粉砕

コーヒーとは生産から加工、飲料として飲む間際まで非常に繊細な果実である。

焙煎したコーヒー豆は粉状に挽かれて抽出される。

その挽く工程を”コーヒーの粉砕(グラインド)”と言い、

粉砕した際の粉の大きさで、最終的なコーヒーの味に大きな影響が出る。

そして挽き目を大きく分類すると5種類の挽き目がある。

  • 極細挽き
    主にエスブレッソに使用。
    苦味や渋みが強く出るが、挽き目を細かく調整したり粉の量を調整する事でバランスの良い味に調整する。
  • 細挽き
    サイフォン・ウォータードリップ用に主に使用。
    粉は細かいので普通濃い抽出になるが、ゆっくり抽出する事と水を使用する事で抽出され過ぎることもない。
  • 中細挽き
    ペーパードリップに主に使用。
    最もベーシック。湯量と濾過時間を考慮した上で挽き目の微調整と粉の量を調節していく。
  • 細挽き
    コーヒーメーカー用で主に使用。
    基本的に中細挽きと変わらないが、粗い分雑味を抑えられる。
  • 粗挽き
    ネルドリップに主に使用。
    粉とお湯の接触時間が長い場合に使用。

コーヒーの賞味期限


コーヒーの賞味期限についてざっくりと。

コーヒーは基本的に酸素に触れて酸素と化合(酸化)するとどんどん風味が落ちていきます。

なので、豆から挽いた場合は出来るだけ早く。

直ぐに抽出する分だけを挽くのがベストである。

ただ、自宅の場合挽いた状態で購入することも多いだろう。

その場合は、7日〜10日ほどで飲みきるのがベストではないでしょうか。


コーヒー豆の場合。

酸素に触れない状態で保存し、焙煎後1ヶ月〜2ヶ月程度。

逆に焙煎後は10日〜14日ほど豆を落ち着かせてから飲み始めるのが良い。


その他に、湿気が籠らないようにする点、直射日光を当てない点、温度変化を最小限にする点。

このような点に注意してコーヒーを楽しみましょう。

まとめ


要点

  • コーヒー豆はアカネ科コヒア属の ”コーヒーノキ” の果実の種子
  • コーヒーの生産は、”コーヒーベルト”と呼ばれている地帯で行われている
    →赤道周辺の熱帯気候
    →年間平均気温15℃〜20℃
    →年間平均雨量2000mm前後
    →肥沃且つ水はけが良い土壌
    →高地
  • コーヒーの品種:アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種の3種類
    →アラビカ種が生産の7~8割、ロブスタ種が2割程
  • コーヒー豆のブランド名は、国名・生産山名・出荷港名・栽培地名等
  • コーヒー豆の果実は、外皮→果肉→粘液質→内果皮→銀皮→種子(コーヒーの生豆)
  • コーヒー豆の精製は大きく4方法:ウォッシュド / ナチュラル / スマトラ式 / パルプド・ナチュラル
  • コーヒー豆の焙煎度:浅煎り・中煎り・深煎り・極深煎りの大きく4段階
    →浅煎りの方が酸味が強く残り果実味を感じ易く、深煎りは苦味が強いのが特徴。
  • 賞味期限:豆の場合1ヶ月〜2ヶ月
    挽いている場合7日〜10日



最後に。

序章で述べたが、今回はコーヒーの生産について、加工方法についてを主にまとめてきました。

そこで一番感じた点は、コーヒー豆の生産も加工においても”複雑さ”と”繊細さ”です。

学んでも学びきれない複雑さと、気をつけても対応が難しいのであろう繊細さ。

今後も学び続けて、少しでもコーヒーについて理解していきましょう。





最後まで読んで頂き有難う御座いました。