#1 イタリア料理とは

イタリア料理


イタリア料理と聞いて何が思い浮かぶだろうか。

パスタ、ピッツァが代表格か。食材でチーズ、トマト、オリーブオイル。。。

そういったイメージを持つ方が多いのではないだろうか。

しかし、このイメージはごく一部のイタリア料理。

実際は地域によって様々な食材、調理法がある。

先に述べた代表的なイタリア料理のイメージは、ナポリ等の南地域の特徴である。

縁あって勤め始めたレストランがイタリア料理店ということも勿論あるが、

イタリア料理についてシンプルに学んでいきたい。


イタリア料理の定義


イタリア料理の定義と言われると難しいが、端的に表すとこうだ。


”家庭的且つシンプルな料理”


イタリア料理について調べた上での個人的な定義付けである。



”家庭的”

というのは、先ず家族揃って食事をする習慣がある。

また、地域単位でも食の伝統が受け継がれているという点から、

イタリア料理は人との繋がりを大切にしていることを非常に感じた。



”シンプルな”

という点は、素材の味を生かした調理。

シンプルな調理で食材の良い面を引き出す。

シンプルだからこそ家庭でも美味しく調理も出来ているのかなと感じた。


こういった特徴から、地域によって伝統的なイタリア料理が生まれてきたきた所以のひとつなのではないだろうか。


イタリア料理の特徴

地域によって異なる食文化

イタリアは、日本と似て南北に長い国。

日本同様に南で扱う食材や調理法・北で扱う食材や調理法が異なる。

また、大陸と陸続きであるので地域毎に隣国の食文化の影響を受けている。

そして、1861年までイタリアは統一国家では無かったこともあり食文化が独立。

大まかではあるが、この様な理由があり様々な地域の郷土料理と共にイタリアの食文化は成り立っているのではないだろうか。

イタリア料理の形態


イタリア料理店は様々な形態がある。

『リストランテ』:高級店
『トラットリア』:大衆店 (郷土料理などを個人経営で展開する)
『オステリア』 :軽食堂・居酒屋として(歴史ある高級店)
等々。

『リストランテ』はコースが中心だが、『トラットリア』『オステリア』はアラカルト中心である。
アラカルト中心でも、コースに則った食事順を取ることが多い様。

イタリア料理店の基本的なコースは以下になる ⤵︎

  1. アペリティーボ:食前酒
    基本的に軽い飲み物。スパークリングワイン(スプマンテ)など。
  2. アンティパスト:前菜
    生ハムやチーズ、カルパッチョなど。食前酒と共に軽く食べる。
  3. プリモ・ピアット:主菜
    サラダやスープ、パスタ、リゾットが含まれる。
  4. セコンド・ピアット:主菜(第二皿)
    魚料理、肉料理、2種類のメインディッシュを指す
  5. コントルノ:副菜
    メインディシュに対しての付け合わせの様なもの。ミニサラダや焼き野菜など。
  6. ドルチェ:デザート
    お菓子・フルーツ。チーズが出されることも。
  7. カッフェ:飲み物
    基本的にはエスプレッソ。コーヒーもイタリア料理には欠かせないことが伺える。
  8. ディジェスティーボ:食後酒
    リキュール類が多い、グラッパなど。

イタリア料理の食事作法

次にイタリア料理の食事作法について。

  • パスタ
    パスタはフォークで一口分を巻いて食べるのがベター。
  • パン
    ちぎって食べ、パテなどがある場合は都度塗ったり浸して食べる。
    ※スープと一緒の場合はスープを飲み終えてからパンを食べる。
    パンは口直しの意も込めて出される様である。
  • スープ
    スープはスプーンを手前から奥へ動かして食べる。
  • その他
    フォークの扱い方として、フォークの背中側に料理を乗せて食べる、
    そしてフォークの持ち手は変えないこと。


地域毎に見るイタリア料理


南北に長く、地中海性気候の温暖な気候、大陸続きで隣国との繋がりを持つイタリアは、
地域毎に様々な料理の特徴がある。

イタリアの地理

地域毎の料理の特徴を述べる前に、イタリアの地理の特徴を。


隣国:フランス・スイス・オーストリア・スロヴェニア
地中海:アドリア海(東側)・ティレニア海(西側)・イオニア海(南側)
山脈:アルプス山脈・アペニン山脈
河川:ポー川・アディジェ川・テヴェレ川
平野:ポー平原
島:サルディーニャ島・シチリア島


イタリアの地理で特に重要点は以下である。

・北部がユーラシア大陸と繋がっており、アルプス山脈が東西にそびえ立っている点。
・アルプス山脈とアペニン山脈の間にポー川が流れ、ポー平原が広がっている点。
・アペニン山脈は南に向かってイタリアを縦断している点。
・このアペニン山脈はイタリアの気候に大きく影響している点。
・アドリア海(ヨーロッパ側)は寒冷で、ティレニア海(アフリカ側)は温暖である点。
・イタリアは3種類の地中海海域に面している点。


イタリアは地中海に突き出た温暖な気候の地域。
という印象が強いと思うが、実際は山脈が多く、気候差も大きい。
火山活動や地震も多い地域である。

イタリア南部

イタリア南部は周りを地中海で囲まれ、地中海性気候の地域。


<イタリア南部の州>
・アブルッツォ州
・カンパーニャ州
・モリーゼ州
・プーリア州
・バジリカータ州
・カラブリア州
・シチリア州
・サルディーニャ州

ナポリはカンパーニャ州に位置し、シチリア島やサルディーニャ島が含まれる。


<イタリア南部の特徴>
・温暖で乾燥している地中海性気候:トマトやオリーブの栽培
・地中海:漁業
・乾燥しているのでパスタは乾麺が主。

地中海に囲まれているので豊富な魚介類を使用し、オリーブ、トマトの様な色鮮やかな料理が多い。
イタリア料理のイメージとして強い、トマト、オリーブオイル、ピッツァなどは南イタリアの郷土料理である。


イタリア北部

イタリア北部はアルプス山脈が列なり、フランスやスイス、オーストリア等と接している。
アルプス山脈とも隣接しており、冷涼で降水も多い地域である。


<イタリア北部の州>
・ピエモンテ州
・エミリア・ロマーニャ州
・ヴェネト州
・ヴァッレ・ダオスタ州
・ロンバルディア州
・トレンティーノ・アルト・アディジェ州
・リグーリア州
・フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州


ミラノはロンバルディア州、ピエモンテ州にはトリノ、ヴェネト州にはヴェネツィアなどが位置している。



<イタリア北部の特徴>
・山間部の冷涼な気候と平原を活かした酪農:バター・チーズ・生クリーム・牛肉
・山脈間に広がるポー平原と河川を活かした耕作:小麦・稲作
・パスタは生麺が主

冷涼な気候、山脈間の平地、河川を利用して耕作や家畜業が盛んな地域。
バターを活かした料理や、煮込み料理、チーズを活かしたリゾットやパスタも生麺を使用するなど。
身体を温めエネルギーを蓄えるような郷土料理である。


イタリア中部


イタリア中部は北部に比べ温暖な地域。


<イタリア中部の州>
・トスカーナ州
・ウンブリア州
・ラツィオ州
・マルケ州


ラツィオ州には首都のローマ、トスカーナ州はフィレンツェが位置している。


<イタリア中部の特徴>
・トスカーナ州に広がるなだらかな丘陵を活かした酪農:チーズ、加工肉


首都ローマを中心に遺産が有名であるが、
アペニン山脈の丘陵地として酪農や農業が盛んであり、チーズ、オリーブ、生ハムなどの加工肉が有名である。


まとめ



イタリア料理とは。

定義・文化・作法・地域

大きくこの4点について今回のブログで出来るだけシンプルにまとめてきた中で、最後に要点を。

  • ”家庭的且つシンプルな料理”
  • お酒(特にワイン)・前菜・主菜①(パスタ、米)・主菜②(肉、魚)・デザート・エスプレッソは欠かせない
  • 食事作法は、散らかさないよう一口ずつ。
  • 南北に長い土地は、アルプス山脈、ポー平原、アペニン山脈、地中海に囲まれている。
  • 南部は温暖で乾燥した気候を活かした耕作と地中海での漁業。
    →オリーブやトマトなどの鮮やかな作物、漁業が盛ん。
    塩や胡椒を使用しサッパリとした料理が主。
  • 北部は冷涼な気候と平原を活かした酪農と耕作が盛ん。
    →酪農と耕作より、チーズ・バター・肉・生パスタ・米を使用し暖かい料理が多い。
  • 中部は丘陵を活かした酪農。
    →北部より温暖、チーズや加工肉、オリーブなどの耕作も取り入れている。
  • 気候や土地柄によって独自の郷土料理が成り立っている。

以上、
料理以上にイタリアについて少しは理解できたのではないでしょうか。

イタリア料理についてのブログは、次回から地域毎に掘り下げていってみようかと思っています。



最後まで読んで頂き有難う御座いました。