#1 ワインとは

ワイン


イタリア料理に欠かせないワイン。

イタリア料理店に勤め始めて本格的に触れることとなった。

初めは料理だけ成長していけたら良いとも考えていた。

しかし、食事を更に引き立たせる存在が如何に大切か。

そのことを肌で感じ、実際に触れているとその魅力に惹きこまれている。

このブログを通じて、ワインをイチから学んでいきたい。

そして、これからワインを学びたいという読者に届き、役立てればもっと良いと思っている。

今回のワインブログ#1はワインの基礎知識について。

・ワインとはどんなお酒なのか
・ワインの種類と造り方
・主な生産地

についてまとめていきます。

ワインとはどのようなお酒なのか


ワインは葡萄100%で造られている。

葡萄がそのままお酒になったものがワインである。

ワインは酵母の自然な発酵力を利用した醸造酒である。


では、なぜ葡萄は自然に発酵し、そのままお酒になるのか。

お酒の生産に必要なもの。
→ ”糖分” と ”水分

葡萄には、その”糖分”と”水分”が含まれているからである。


糖分は、アルコールを発生させる為。
→糖分が酵母の働きによってアルコールと炭酸ガスに分解されて、アルコールになる。

水分は言わずもがな、である。


条件を整えた中で、葡萄を潰して置いておくと自然とワインが出来るのである。


ちなみに、お酒の原料の一つである大麦や米は、水分を含まないので”仕込み水”が必要であり、

その”仕込み水”がお酒の味に大きく影響する。



このように、ワインは果実自体の糖分と水分しか使用しない為、葡萄の質が非常に大きく味に影響する。

そこでワイン造りの大部分が以下の3点になってくる。


①葡萄の品種

葡萄の品種によって、色・香り・味わい が異なる。

②土地(テロワール)

同じ品種でも、栽培地の 気候・土壌・地勢 で味わいが異なる。

③生産者

同条件で葡萄を栽培しても作り手によって果実に差が出るし、同じ葡萄果汁としても仕上がりワインに差が出るそう。


ワインというお酒は、100%葡萄由来の醸造酒。

そして味わいは農業の要素が非常に大きいお酒である。


ワインの種類と造り方


ワインは大きく4種類に分かれる。

スティルワイン・スパークリングワイン・フォーティーファイドワイン・フレーバードワイン

以下それぞれについて綴っていく。


【スティルワイン】

赤・白・ロゼ。いわゆる普通のワイン。

★赤ワインの造り方:収穫→発酵→圧搾→樽熟→瓶詰め→瓶内熟成

★白ワインの造り方:収穫→圧搾→発酵→樽熟→瓶詰め→瓶内熟成

→赤と白の違いは発酵と圧搾の手順。

赤ワインは果汁と共に皮も種も発酵する。赤い色素は皮から、渋味であるタンニンは種からきている。

白ワインは先に圧搾して、果汁のみを発酵させるのでスッキリとした味わいになるということである。


★ロゼワインの造り方:収穫→発酵→圧搾→発酵→樽熟→瓶詰め→瓶内熟成

基本的に赤ワインと同じ手順だが、発酵途中で色素抽出を圧搾することで止め、再度発酵させる。
そうすることで出したい色でワインの製法が可能になる。


【スパークリングワイン】

炭酸ガスを含んだワイン。しっかり発砲するタイプと微発砲タイプがある。

★造り方:一度スティルワインを作る→糖分と酵母を加える→二次発酵(泡の生成)→熟成→リキュール添加

スパークリングワインは発酵も2回行うこともあり、完全な辛口に仕上がる。

2回目の発酵製法は大きく二つあり、瓶内で行う『瓶内二次発酵製法』大きなタンクで行う『シャルマ法』がある。

二つの製法の大きな差は、手間をかけて丁寧な風味に仕上げるか、大量生産して安定した味を求めるか。

また、最終工程のリキュールの量で甘口度を調整しており、スパークリングワインのラベルに甘辛表記がしてある。

※ちなみに辛口表記は『Burt』/『Extra Burt』/ 『Burt Nature』



【フォーティーファイドワイン】

普通のワインにブランデー等のアルコール度数の強いお酒を加えたもの。
保存性が高まるので、暑い国々で発展。




【フレーバードワイン】

ワインに何らかのフレーバーを加えたもの。



余談として甘口ワインの製法を。

ワインは糖分が発酵した際にアルコールになる為、甘さが残らないので辛口になるわけだ。

逆に糖分が非常に高いと全てがアルコールに変わらず、糖分として残るわけだ。

なので、敢えて遅摘みをした葡萄を使用する方法、陰干しして甘味を凝縮させる方法、凍りついた葡萄を使用する方法。

そして”貴腐”という特殊な菌が付着し生きながらレーズンのような状態になった葡萄を使用する方法もある。

まとめると、濃縮した葡萄を使用することで甘口ワインが造られるということである。


主な生産国



ワインの主な生産国。

ヨーロッパ:フランス、イタリア、スペイン、ドイツ

北アメリカ:アメリカ

南アメリカ:チリ、アルゼンチン

オセアニア:オーストラリア、ニュージーランド

アフリカ:南アフリカ


特徴として、北緯・南緯共に30~50度の位置に位置している。
地域毎にザッとまとめていこう。


【ヨーロッパ】
フランス、イタリアが先ずワインの世界生産量のトップを争う。
その中でフランスは王国とされ、ボルドー・ブルゴーニュ、シャンパーニュなど多くの名ブランドが揃っている。
対するイタリアは南北に長い地勢もあり、多様な葡萄品種と伝統的なワイン造りで多くのワインを生産している。
続いてスペインが多くのワインを生産しており、恵まれた気候を活かした果実味豊かなワインが特徴である。
ドイツは比較的北に位置している為、酸味が特徴的なワイン産地である。


【北アメリカ】
アメリカはカリフォルニアを中心に、多くの産地があり、多様な葡萄の品種を土台として、多くのワインを生産している。


【南アメリカ】
チリとアルゼンチンは隣り合った地域であり、
共に恵まれた地勢と気候から大量生産が可能、コストパフォーマンスも良い。


【オセアニア】
オーストラリアは生産量で常にトップ10に入っており、広大な土地があるが南東部と南西部で葡萄は栽培され、近代設備と技術で生産を支えてきた。
ニュージーランドは冷涼な地域でもあるが、生産者の努力により高品質なワインが造られている。


【アフリカ】
南アフリカは環境に配慮したワイン造りを行ってきて、歴史も長いワイン産地。今後更に注目されるのでは?


最後に日本ワインについて。
日本のワイン生産は比較的遅く、2000年代から漸く品質の向上が見られるようになってきた。
職人気質な日本人の特徴も相まって、今後更に伸びていくのではないだろうか。

終わりに


今回のブログでは、ワインの基礎知識をザッとまとめました。

特にお酒の中でのワインの立ち位置と特徴、造り方については理解しやすいのではないでしょうか。

産地については簡潔すぎる気もするのですが、追々各産地をまとめていきたいと思っています。

その中で、先ずは今関わりが深い”イタリアワイン”について、どんどん学んでいきたいと思っています。